idontknowlogoSS
idontknowlogoSS
sandtitlelogo02


もくじ
1. TENTとtwelvetoneってどんな人たち? 
2. 誰のための「欲しいもの」なのか
3. 工場はどうやって探すのか
4. 世の中で売られている状態になるまでに
5. 焚き火とメディア
6. 知らんがな

2. 誰のための「欲しいもの」なのか。

hosii

青木 今回のサブタイトルになっています「欲しいモノのつくりかた」っていうタイトルなんですけど、ちょっと解説というか、こんな範囲で考えていますっていうお話をしたいと思います。

hosii0

青木 デザイナーって、まずは「クライアントや上司が欲しいものをつくる」がよしとされている世界ですね。そこから近年になって「クライアントだけのために作るっていうよりは、ユーザーのために作らないとやっぱだめだよね」っていう話が一般的になってきまして。


角田 クライアントさんを通して、ユーザーさんも見てデザインするっていうね。 

hosii2

青木 そうですね。っていうのは、まあ一般的に言われています。それで、なんで僕たち、わざわざ独立してやっているのかっていうと、ぶっちゃけていうと「自分が欲しいものを作りたいから」ですね。 自分が欲しいものを作れていなかったから、会社をやめたくなっちゃったってことで。


角田 まあ、よくある話ですね。


青木 よくある話です。自分が欲しいものを極力作りたいと思って独立。それで、自分が欲しいものは作るんですけど。さらにそこから、親戚が欲しいもの、友人知人が欲しいもの、街で見かけた人がほしそうなもの、憧れの人が欲しいと思っているんじゃないか、ってものをつくる。そんなつくりかたがあるなあってことに気づいたわけです。

hosii3

青木 そういう気持ちでやると、だんだん、単にモノを作っているというよりは「サプライズプレゼント」を仕込んでいるという気持ちになってくるんですよね。アッと言わせてやろう、想像以上のもので喜ばせてやろうと。 僕は一応「プロダクトデザイナー」という肩書きではやっているんですけど、プレゼントって考え出すと、どういう箱に入れようか、どんなお手紙つけようか、どんなタイミングで渡そう、ご飯の前がいいかな後がいいかなとか、どんな音楽をその時には流そうかとか、全部やりたくなっちゃう。
 

hosii4

角田 とくにTENTさんはクライアントワークでもやるもんね。


青木 そうですね、パッケージとかブースとかWebとか、全部やらせてもらっている仕事もあるんですけど。ブランドディレクションみたいに言うと偉そうですけど、実は「人に任せると、僕たちからの贈り物じゃなくなっちゃうじゃない!」っていう気持ちから来るものだったりして。


角田 そういう感じなの!?
 

hosii5

青木 そうです。職業としての領域や肩書き、上手い下手とは関係なく、とにかく贈り主がしっかり携わったものを贈りたいんだと。


角田 なるほどなるほど、やらせろ!と。


青木 やらせろ!という気持ちで、やっています。まあ、良い点も悪い点もあるとは思うんですけど。あれもこれも分業してというものよりは、全部やるぞという気持ちから出るものが面白いなあって個人的には思っています。 


角田
 家電からコップから、いろんなプロダクトを作る中でも、それぞれが、いろんな人への贈り物を作っている気持ちなんだと。

works02_c

青木 そうですね、それぞれの製品で、贈り相手を具体的にイメージできるとやりやすいですね。たとえば、NuAns NEOってスマートフォンが出てるんですけど、もうこれは、実はマニアックなスマートフォンユーザーでもある、角田さんをびっくりさせてやろうと思い描きながら、デザインや、いわゆるディレクション的なことに取り組んでましたね。


hosii6

角田 そうなんや!やってくれてましたね。たしかにめっちゃビックリしましたね。 しかもGOOD DESIGN BEST100までとったしね。 



トークは、次のページに続きます。

ここですこし
会場に来られた方からの質問コーナー
お楽しみください。

会場からの質問コーナー  その2

qa2

組織でやることと、
個人でやることの違いってなんですか。
長所と短所を教えてください。

青木 組織でやること、、、あ、そうそう、一個たとえ話があるんですけど、大組織でやるのって、電車に乗っている感じに似ていて。乗りこなせばそれなりに好きなところに行けるし雨風ないし、まあ快適なんですけど、なんか電車の時間に合わせて、めっちゃ走らなきゃいけないし、とか。

角田 ああ、電車に合わせなきゃいけないけど、合わせれたら快適や、ということね 。

青木 はい、で、独立してからで言うと自転車ってすごい合うなあと思っていて。雨風とかすごい辛いんですけど、なんか腿に筋肉ついてきたっていうのと、好きなところにいけるのと、上り坂はつらいけど、下り坂はめちゃ気持ち良いのとが、独立してからの感覚に近いんです。

角田 なるほどね、時間は好きな時でいいし

青木 ですね。そういう、電車と自転車、みたいな感じは、ありますけど。 「自転車操業」って言葉もありますしね。

角田 いや、それは意味違うけど!それで、なんかこう、それぞれに心持ちの違いってのはあるの?

青木 うーん、治田さんとよく話すんですけど、やっぱり「使いたいかどうかがすごく大事」とか、ですかね。

角田 変な上司の変なアイデアとかで変に曲げられたりとかするよね。絶対俺が考えたやつの方がかっこいいのに!とか、あるよねー


青木 あと、個人でやると、ギリギリでひっくり返せるんですよね。展示会の前の日に、やっぱ色変えようとか、徹夜して今からここに文字入れようとか。

角田 それはねえ、青木さんのつきつめる体質として、よくあるんですよね 

青木 それで、深夜にメールしてね。

角田 深夜に僕にメールがきてね。やっぱりこうしようって。わかったわかった。で、次の日、やっぱり変えないっていう。

青木 はい、そればっかりしてますね。ほんとすみません。 

角田 あとは、組織じゃないことの良くない面としては、誰も止めてくれないっていうことはありますね。俺がかっこいいと思って作り始めて、1人だから誰にも止めてもらえずに暴走して作っちゃって、展示会出して1個も売れなくて事故るみたいなことは、ありますよ。「なんで止めてくれなかったんだ!」って後ろ振り返っても誰もいない、みたいなのは、ありますよ。

idontknow.tokyoへのお問い合わせは、下記のフォームからどうぞ。