Vol. 01
1. 究極の形の、次は何しよう

角田 どうもこんにちは、twelvetoneの角田(ツノダ:写真中央右)です。
治田 TENTの治田(ハルタ:写真左)です。
青木 TENTの青木(アオキ:写真中央左)です。
田久保 グラフィックデザイナーの田久保(タクボ:写真右)です。今回は、電話ではなく、出席してトークに参加しますね!よろしくお願いします。

治田 この場所 idontknow.tokyo は、それぞれ独立したデザイナーである僕たちが協力して新しい商品を作るアイドントノウ というプロジェクトのWebサイトです。
角田 アイドントノウ。つまり、「僕たちは本当は、まだ何も知らない」をテーマに、知っていると思っていることも、知らないと思って、ゼロから作り上げるというね。
青木 全くジャンルの違う4つの商品を発表予定なんですけど、それを世界中のどこよりも早く1つずつ順番に紹介していこうと思っています。今回は、その第2弾ですね。
田久保 今回も、そもそも僕たちがその新商品を作ろうと思ったきっかけや、その開発プロセスについてたっぷりお話ししていきましょう。
青木 idontknow.tokyoの、これまでに公開された記事については、この目次からどうぞ。
これまでに公開された記事
THINK about THINKING TOOL
idontoknow.tokyo第1弾製品 HINGE(ヒンジ)の開発のきっかけやプロセスについてお話しています。
SANDWICH & TALK
2016年末に行われたトークイベント。twelvetone角田とTENT青木が主にお話しています。idontknow.tokyo結成の経緯にも触れています。
1. 究極の形の、次は何しよう
青木 まずは、第1弾製品HINGE(ヒンジ)が大好評ということで、本当にありがとうございます!

角田 いやー本当にありがたい。これで気持ちを落ち着けて第二弾に着手できます。ありがとうございます。 さて、アイドントノウ第2弾製品。次は何にしましょう。
治田 ラムネ、は、まだ、置いとくとして。
田久保 ラムネは置いといて。
青木 はい。HINGE以外にも、ペンとか、紙とか、はさみやカッター。「考える道具」を起点に、まだまだいろいろできそうですよね。ちょっと軽くアイデア出ししてみましょっか。
角田 そうね。ブレインストーミングするときとか、ポストイットにアイデアを描くじゃないですか。あれのかわりに、なんかコインみたいな丸い紙があって、そこにアイデアを描くってどう?
青木 いいですねぇそれ。たくさんアイデアが集まったら、貯金箱みたいなものに入れるとか。なんか、楽しくなりそう。

治田 お札と同じサイズのメモ用紙ってどうですか。ただの真っ白な紙なんだけど、お財布に入れておけるっていう。

青木 いいですね!電球とか牛乳とか、買うものを書いたメモ用紙が、お財布に綺麗におさまるっていうのは、よさそう。
角田 外出先で急に何か思いついたときに、財布を出してメモできたりとかね。

青木 出た!ヒラメキマネー!

角田 アイデアしだいでは、1枚あたり数億円の価値があるかもしれない!
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、
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という話をね、実際にして、いろんな試作を作って、実際に使ってみたんですけど。

治田 他にも様々な案を検討しましたね。でも、何か、良いんだけど、違うというか。
青木 結局のところ「考える道具」としては、いつでもどこでもHINGEで事足りてしまったんですよねー
田久保 HINGEは僕たちにとっての、現時点での究極の形ですもんね。なかなかこれは越えられないですよね。


田久保 idontoknowでやるからには、なんとなくではなく、その時点で全員が納得いくような究極の形を作り出したいですよね。
角田 さて、では次は何をやるかってところなんだけど。
次は「ゲーム」なんて、よくない?

青木 ゲーム??またえらい飛躍しましたね。
角田 HINGEの続きという意味で「考える」を起点に話しますね。
青木 はい。
角田 脳みそだけで何かを考えるってとってもしんどいことで、やっぱり紙とかの補助があってアイデアって進むよね。そのためにHINGEもあるわけで。
田久保 書いて、考えて、書いて、考えて、の繰り返しで、思考は進んで行く。 アウトプットとインプットの繰り返しですね。
角田 この時に頭の中でしていることって、ただ記憶しているものを思い出すだけじゃなくて、思い出したものを、頭の中で動かしているんです。
青木 たしかに。
角田 たとえば歴史について考えた時、「源頼朝が、何年に、何をした」というテキストとしての記憶だけでなく「そうではなく、こうしていたら?」「相手側は、そのときどう動くんだろう?」と考えるみたいに、立体的に考えていくということなんです。

青木 ふむふむ。立体的な思考。
角田 そう。アイデアを考えるときって、この立体的な思考がとっても大事!そして、これは単に固定した記憶のポケットの話ではなく、言わば精神的な筋力を使うようなもので、かなーりしんどい作業なんです。
治田 アイデア出ししすぎて脳みそが疲れる感じ、たしかにありますよね。
角田 そう、そんな力をトレーニングできる道具が、実は碁や将棋、チェスなんかのボードゲームだと思ってるんです。
青木 ふむふむ

角田 ボードゲームって何手先も読むじゃない。それってすごく脳にとってしんどいことなのよ。分岐点を覚えておいて、またその先に分岐が増えて。
青木 可能性の先の可能性を、どんどん脳内シミュレーションする感じ。
角田 それを繰り返しやることで、アイデアをどんどん分岐させて広げて行く、ということがだんだんできるようになってくるんですよ。
治田 体を動かして汗をかくトレーニングがあるように、脳を動かすトレーニングというイメージですかね。
角田 そう。スポーツでも、ストイックな筋トレもあるけど、楽しく運動しているうちに筋肉ついちゃったみたいなこともあるわけじゃない。

治田 たしかに。
角田 脳みそのトレーニングというのも、勉強みたいなことじゃなくて、楽しく遊んでいるうちにすごくアイデアを出せる脳になっちゃってた!なんてこともあると思うんだよね。
田久保 なんだか、説得されてきましたよ。
角田 だから、じつはボードゲームって、HINGEの次に取り組むアイテムとしては、すごく必然性がある。
青木 たしかによさそうですね
治田 第二弾はボードゲーム。いいですね。そのあたり、掘り下げてみましょうか。

次のページに続く
Vol. 02
2. 5000年の歴史に一石を投じる

2. 5000年の歴史に一石を投じる
治田 ボードゲームについて掘り下げようということですが。
青木 いろいろとHINGE以外の筆記具も検討しましたが、思い切って全然違うジャンルにいくぞと。
田久保 はい、第2弾はボードゲームということで納得しました。ただ、世の中には既にたくさんのボードゲームがあるんですけど、わざわざ新しいものを作り出したいというのには、理由があるんですか?
角田 うん。僕はね、いまあるボードゲームに、不満というか「もったいないなあ!」と思っていることがあるんです。
治田 もったいない、ですか。
角田 うん。1つ例を出すと、僕は一時期、碁にすごいハマったんだけど、あれって、あのシンプルな見た目なのにすごく奥が深くて面白いの。頭を使って遊ぶ楽しさが凝縮されている。

田久保 見た目のシンプルさと、プレイしている人の脳内で起きている奥深さとが、すごい差がありますよね。
角田 でね、そんな楽しい碁だけど、ルールが複雑で。知らない人から見たら「一体なにをやってるんだ?」ってなりがちなんだよね。
青木 たしかに、全然何してるのかわからないです。
角田 試合を面白くするためではあるんだけど。 複雑なルールがいっぱい存在している。そのせいであんなに面白いゲームが、ごく一部の人にしか楽しんでもらえていないのって、もったいないなあって。

治田 なるほど。でも、同じくらいシンプルな見た目のゲームとして、オセロはどうですか?
角田 オセロね!たしかに、ルールは理解しやすいよね。だけど、もうあまりにも普及しすぎちゃってて。
たとえば、おしゃれなキャンプとかパーティとかで「ゲーム持ってきました!」ってオセロが出てくると、なんというか、ぬくい感じになっちゃうの。ピリッとしないというか。「実家から布団持ってきました」みたいに僕は感じちゃうんだよね。
青木 たしかに見慣れすぎているというか。
田久保 あと「四隅を先に取った方が勝ち」というセオリーも知れ渡りすぎて、純粋に頭を使う楽しさは感じにくくなっちゃってますよね。
角田 そう、そんなわけで、初めての人でもすぐに理解できるルールで、プレイすればするほど深さを味わえて、しかもオシャレに飾っておきたくなるようなボードゲームって作れへんかなって思ったわけです。
青木 2017年、アプリゲームやらARやらVRやらが話題な今ですけど。ものすっごいシンプルなアナログなボードゲームを作りたいと。
角田 うん、だって、世代を越えて家族みんなで楽しめるもの、作れたら、楽しいじゃん。

田久保 ボードゲームの歴史は紀元前3000年から始まるらしいんですけど、つまり、5000年以上続くその歴史に一石を投じるぞと。
青木 すごいハードル上がりましたけど、大丈夫ですかね。まずは何から手をつけたらいいものやら。
角田 だよね、僕たち、ゲームなんて作ったことあるわけじゃないしね。
治田 まさに「アイドントノウ」ですね。

角田 しかも僕、一時期、頭を使うタイプのゲームを研究してて。世界中のいろんなカードゲームやボードゲームで遊んだんだけど、まあそれはそれは、たくさんの種類のものがあるんですよ

角田 どれも面白い!でも、やっぱりルールを覚えるのがなかなか大変で。そうすると、一緒に遊んでくれる友達も少なくなっちゃう。難しいもんです。
青木 なるほど。うーん、なにから手をつけましょうかね。

角田 でね、実は、できたものがこちらにございます。

治田 青木 田久保 (!!!)
角田 実は11年前から僕が練り上げていたオリジナルのゲームがありまして。まさに、碁のようなシンプルな見た目で、オセロのように覚えやすいルールで、チェスのようにリビングに飾りたくなっちゃうというね。すごいものを作りました。
田久保 構想11年!超大作ですね。
角田 紆余曲折あって、いまここに、ついに完成しました。もう、すごいんですよ。ボードゲーム5000年の歴史に一石を投じますよ。
青木 ゾクゾクしますね。
まとめ
全く新しいボードゲームをつくりたい
・立体的な思考を楽しく鍛えられて
・誰でもすぐに理解できるシンプルなルールで
・プレイすればするほど深さが味わえて
・オシャレに飾っておきたくなる
僕たちは、そんなボードゲームが欲しい!
次回、いよいよ製品の全貌が明らかになるっ
Vol. 03
3. 最もミニマルなボードゲームCUBOID

老若男女に関わらず誰でもすぐに楽しめる
シンプルなルールと

白と黒の直方体、グレーの盤面という
究極までミニマルな要素なのに

やればやるほど奥が深い
タテ・ヨコ・ナナメ3次元のせめぎ合い

立体思考で活路を開く
最もミニマルなボードゲーム

CUBOID
Made in JAPAN
size : W150 × D150 × H18
material : Wood
角田 はい、というわけで、ついに出ましたね。11年間練りに練って、ついに出来上がった革新的なボードゲームが。
青木 オセロのようにシンプルで、囲碁のように奥が深く、リビングに飾りたくなるくらいおしゃれなボードゲーム、それがこのCUBOID(キューボイド)ですね。
治田 それではお話を続けつつ、商品の詳しい紹介をしましょうか。

治田 あらためましてご挨拶から。TENTの治田(ハルタ:写真左)です。
青木 TENTの青木(アオキ:写真中央左)です。
田久保 グラフィックデザイナーの田久保(タクボ:写真中央右)です。
角田 twelvetoneの角田(ツノダ:写真右)です。
これまでのお話をはじめから読みたい方はこちらの目次からどうぞ。
もくじ
1. 究極の形の、次は何しよう
2. 5000年の歴史に一石を投じる
3. 立体思考で活路を開く、最もミニマルなボードゲーム

青木 今回はご覧の通り、先行予約いただいた沢山の方に向けて発送するために、検品と梱包作業を進めながらこのトークをお送りしているわけですが。

角田 今回の先行発売でも、HINGEに引き続き、本当にうなるほど沢山の予約をいただきまして。ありがとうございます。
治田 というわけで、これがCUBOID(キューボイド)ですね。

角田 そうですね。まずはスリーブをとりはずしまして。

(※2019年バージョンでは、紙スリーブに変更されております。)
角田 ひっくりかえすと、白いブロック、黒いブロック、グレーの正方形の盤面が現れます。

角田 この、ひっくり返した盤面上で、黒いブロックの人と白いブロックの人が対戦して遊ぶボードゲームなわけです。


青木 グレーの盤面に、黒ドットが印刷されていますね。


角田 そうです。このグリッド上に印刷された黒いドットに、ブロックの角を合わせるようにして、1手ずつ交代で、こう、ビシッ!とブロックを置いて行くわけです。

青木 白いブロックと黒いブロックを、一手ずつ交代で置いていく。ここまでだと、オセロや囲碁、将棋、チェスなんかと、それほど変わらないように思いますね。「ああー、そんな感じね」くらいですが

角田 ここからが面白いところなんですが
実はこのCUBOIDはブロックを高さ方向に積むことができるんです。
田久保 これですね。僕が一発で魂を撃ち抜かれてしまったのは。

青木 平面だけでなく、立体方向にどんどんブロックが交錯していく。
田久保 その結果、まず、ゲームをプレイしている状態がビジュアルとしてすごく魅力的。

田久保 しかも、プレイするたびに毎回違った形が立ち現れるんです。


角田 これがね、プレイする人ごとの性格が、形として現れるというのが面白いよね。
青木 平面でずっと行く人、高さ方向にどんどん伸びて行く人、攻め続ける人、守る人、本当に人それぞれですよね。


青木 ルールが本当にシンプルなので、大人はもちろん、子供からお年寄りまで楽しめるし、生まれた国、使用する言語に関係なく、みんな平等に楽しめるのもいいですよね。


治田 勝ち負けを競うゲームなのに、2人でオブジェを作っているような。
田久保 ゲーム終了後に、毎回写真を撮りたくなりますよね。そのまま片付けずに、飾っておきたくなる。




治田 白いブロックと黒いブロックで、立体的に対戦するゲームということまではわかりました。
では、どうやって対戦するのかというところなんですが
青木 気になりますよね?どういうルールなのかというところ。 でも
角田 詳細なルールに関しては
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、
、
、
お買い上げいただいてからになります! すみませんっ!!

治田 そうなんです。まだWeb上でルールを公開するのは控えさせていただきたくて。申し訳ありません。
青木 「Googleで調べれば何でも出てくる今日この頃」に、たとえばここでルールを明かしてしまうと「ああ、そういうゲームなのね、ふーん」で終わってしまう。それでは面白くないと、僕たちは思っていまして。
角田 そうね。このゲームは、ルールを知ってわかった気になるよりも、実際にプレイしてみるほうが、何倍も面白さがわかるゲームなんです。
田久保 とはいえ、ひとつ補足しますと。
実際の商品には、見やすくてわかりやすい説明書を同梱していまして、合計7ページしかないこのルールブックを読めば、誰もがすぐに理解できる本当にシンプルなルールです。

青木 ということで。
ここからは実際にプレイしているムービーを見ていただければ、その楽しさは感じていただけるのではないかと思います。
CUBOIDのルールを細かく説明しています。
CUBOIDの遊び方を細かく説明しています。
体験イベントその1
中目黒蔦屋書店でのCUBOID世界初公開イベント
このイベントについて詳しくはこちらからどうぞ
体験イベントその2
CREATIVE BOX(Nissan Designさん)でのイベント
角田 体験イベントでは、当日その場でルールを説明して、すぐにプレイしてもらったんだよね。それなのに、この盛り上がり。
治田 僕たちが想像した以上にハマる人が続出でしたね。
青木 なにかこう、この直方体を手の上で転がす感じとかグリッドに合わせる感じ、そして、このゲームの本当にシンプルなルールが、根源的な心地よさみたいなものがある気がしますよね。
角田 プレイするたびに、アイデアを閃いた時の気持ち良さを感じるよね。
治田 実は、うちの娘もハマってます。
青木 僕の甥っ子(小学生男子)も完全にハマってます。
これは、HINGEに引き続き、人類の創造性を解き放ってしまいますね!

角田 まだまだ開発されたばかりのCUBOID。
いわば、誰もがスタートラインに立っている状態です。
ぜひ一緒に、このゲームの楽しさを開拓していきましょう!

立体思考で活路を開く
最もミニマルなボードゲーム



CUBOID
price : ¥4,500-(税抜き)
size : W150 × D150 × H18
material : Wood
Vol. 04
4. 発売まで11年間の紆余曲折

青木 ということで、立体思考で活路を開く、最もミニマルなゲームCUBOID(キューボイド)が出来上がったわけですが。

青木 ここで角田さん。
角田 なに?
青木 せっかくなんで、CUBOIDができた経緯を語っていただこうかなと。
治田 いいですね。いまの時代になぜ、こんなにシンプルなルールのゲームを生みだすことができたのか。聞いてみたい。
角田 そうねー。いいよ、語ろうじゃないの。

4.発売まで11年間の紆余曲折
青木 じゃあ、さっそくなんですけど。どれくらい前から作ってたんですか?
角田 最初は2007年ごろかな。その当時「囲碁」にハマってたんですよ。
治田 囲碁。漫画「ヒカルの碁」の、あれですか。
角田 そうそう、まさに「ヒカルの碁」がきっかけで。当時僕は会社員だったから、休み時間に毎日同僚と、ジュースを賭けて囲碁をやってたのね。

角田 それで囲碁ってなんて面白いんだ!と思うと同時に「悔しい!こういうものを、俺も作りたい!」って思って。

青木 作りたくなるんですか
角田 そう。作りたくなった。でも僕の対抗心はハンパないわけです。 ただ似たようなゲームを作るんじゃなくって、囲碁に並ぶくらい、いや、勝つくらいのものを作りたくなっちゃったの。
それで囲碁の欠点を探したんだけど、まず1つ目は、奥が深いんだけどその反面、難しすぎるんだよね。 なかなか気軽に遊べない。
青木 たしかに僕もやったことないですし、難しそうだからやってみたいとも思わないです。
治田 敷居が高い感じしますね。
角田 でしょ。なので、簡単なんだけど奥が深いゲームが作れないかなと思ったのが1つ。
そして囲碁の2つ目の欠点として、見た目があんまりオシャレじゃないなあと思って。ついでに言えば、将棋もオセロも、僕から見たらオシャレじゃないわけですけど。
治田 なるほど、じゃあ角田さんが思う「オシャレなゲーム」ていうと?
角田 たとえばチェスとかですね。海外のボードゲームは、シンプルでオシャレな、木でできたやつが多いんだけど、ああいうインテリアの飾りになるような感じのものを作れたら、囲碁に勝てるんちゃう?って思って。
青木 囲碁に勝つには、敷居の低さと、オシャレさだと。
角田 そう。とはいえ、そこからどうするかなんだけど、まずは囲碁から学び取れる部分を考えた。それは「1つの形のコマ」と「盤」だけで面白いゲームができるということ。 要素がすごくシンプルだよね。

青木 たしかにすごくシンプルですね。ふむふむ。それから次は何をしたんですか?
角田 次はね、何をしないかを考えた。
治田 何をしないか。 つまり?
角田 囲碁って簡単にいうと「陣取りゲーム」なわけです。戦いもあるんだけど、全体で言うと陣取りゲーム。だから陣取りゲームにだけはしないぞって決めた。
青木 なるほど。まず学び取る部分を決めて、次に何をしないかを決めた。そして次は?
角田 ハンズに行った。
治田 東急ハンズ?何かを買いにいったんですか?
角田 いや、とくに何を買おうと決めてたわけじゃないんだけど、素材見たら何か思い浮かぶかなーって思って。
青木 すごいなそれ。ノープランだったんですね。
角田 そうそう。でね、ハンズいったら、木の立方体が売ってて。「あ、なんかいいなあ立方体」って思って、まずはそれを買って帰った。
家に帰ってから、木の立方体を手の上に転がしながら「何かにならへんかなあ」って、1つずつ机に並べていくわけ。

角田 「並べた面積を数えて、、、あ、陣取りになってるやん、あかんあかん」とか「上に積み重ねて、、、立体陣取りゲーム?あかん、囲碁に毛が生えただけやん」とか、ブツブツ言いながら考えてたわけ。
青木 1人でやってたんですか?
角田 もちろん1人だよ?

角田 それで何も思いつかないから、立方体と立方体を接着剤でくっつけて直方体を作ったのね。そしたら、
「あれ?縦方向、横方向、高さ方向の3つの置き方が生まれたぞ?」

角田 「置き方で距離が変わるのか、、、まてよ?、、、距離、、?」
「2個じゃなく3個接着したらどうなる?」とか、またブツブツと1人で考えていって。
治田 なんかすごい状態ですね。自分との対話みたいな。
角田 そうそう。それで
「距離を、、かせぐ、、あれ?つなぐ? 繋ぐのは どうだ?陣取りじゃなくて繋ぐ、、、繋いでそれから、、どうなる?」って。
青木 そこでひらめいたわけですね!
角田 いや、まだなんだよね。でもなんか知らんけど、正解はそっちな気がする!って漠然と手応えを感じて。

角田 それでそのまま考えてても仕方ないから、またハンズに行って。今度は角材を買って、立方体2個分の大きさのブロックを沢山作ってみたり。

治田 これがその時の試作ですか。
角田 うん。色も試してみたいなあと思って、次にいきなり漆を塗ってしまったんだけど。

青木 漆!試作なのに、まだルールもできてないのに、なんて高級な。
角田 テンション上げたかったんだよね。

角田 その当時はまだ「コマ」だけで、「盤」は無かったんだけどね、これを手で机に並べたり置いたりしながら、またウンウン考える。
「白を置いて、赤を積んでみるじゃろ。。うーん、、置いた駒を動かしてみるじゃろ、、うーん、なんだろうなあ、、」と、とにかく触ってみる。
青木 なんかお爺ちゃんみたいな語り口になってますけど。しかしすごいなそれ。頭で考えるんじゃなくて、手で考えてる感じですね。
角田 もう、今にも何かになりそう。あとはルールだけ、ルールだけやのに、なんやろって、もう何日も考え続けて。

角田 「駒を動かすんじゃなくて、軌跡を残してみるのはどうかな、、軌跡を残しながら距離を稼いで、、、距離が、長いと、、、、 」
「あ!こっち側と向こう側が繋げられる?」
「つまり、相手よりも先に繋いだ方が勝ちとか? 」
「あれれれ?面白くなりそうだぞ?」って 。
青木 なるほど、そこで陣取りではなく、こっち側とあっち側を繋げるという、CUBOIDのルールの基本形ができたわけですね!
角田 そうなんだけど、その時に思ったのは「道が繋がって嬉しいのは誰やねん」ってこと。
治田 嬉しいのは誰って、ゲームのプレイヤーじゃないんですか?
角田 いや、そういうことじゃなくて。たとえば将棋は「将軍と将軍が戦っている。」囲碁は「戦争で陣地を取り合っている」とか、それぞれ設定ってのがあるじゃない?
青木 たしかに。チェスもそうですね。でもオセロは特になさそう
角田 それ!だから僕オセロあんまり乗れへんねん。それで、設定があったほうが面白いと思った。だからこのゲームも「道が繋がって嬉しいのは誰だっけ、道を増やして、競って、嬉しい人、いや、動物は、、、、、うーん、アリさんかな?」って。
治田 なるほど、だからこの「盤」にはアリの絵が描いてあるんですね。

角田 そう。このアリさんが、ブロックの上を歩くじゃろと。それを防ぐじゃろと。ここで、アリさんが歩く道を作ってあげるっていうゲームはどうじゃろ?って事になり、 「できたー!!完成したぞー!」と。
そこから、この試作を使って沢山の人と遊んで見たんだけど、なぜか、今ひとつ盛り上がらない。

青木 盛り上がらない!?なぜだろう。
角田 今思えば「アリさんが歩いていると仮定して道を作る」というのが難しかったみたい。ルールを説明してても「じゃあこの場合はどう?アリさんは歩けるの?え?歩けないの?なんで?」って質問ばっかり出ちゃって、なかなか理解してもらえなくて。
いくつかメーカーに売り込んだりもしたんだけど、結局そんな感じで商品化になることはなく、お蔵入りにしてしまったと。
治田 むむう、なるほどー。それから11年後の2016年夏に、転機が訪れたわけですね。

立体思考で活路を開く
最もミニマルなボードゲーム



CUBOID
price : ¥4,500-(税抜き)
size : W150 × D150 × H18
material : Wood
Made in Japan
Vol. 04b
4b. 遊びながらルールができて
(前回からの続きです)
治田 むむう、なるほどー。それから11年後の2016年夏に、転機が訪れたわけですね。
角田 そうそう。あれは2016年の夏頃。アイドントノウ結成前で、一緒にオリジナルのラムネを開発してた頃ね。

青木 懐かしい、、、毎週末やってましたね、オリジナルラムネの開発。
角田 まだ商品化は諦めてないけどね!それで、ラムネは「考えるためのお菓子」として開発してたわけだけど、同じように「考えるため」を起点にいろんなアイテムを開発できないかなと話してて
治田 そうですね。そのディスカッションの中から「考える道具」HINGEも生まれました。
角田 「”考える"といえば、僕は昔、ボードゲーム作ってたんだけど、試作見てみる?」って言って。
青木 ですね。そのときに出て来たのが、このアリさんの試作でした。

治田 それで11年ぶりに遊んでみたわけですね。どうでした?
角田 青木さんが「面白い!けど、ルールがわかりにくい気がする」って。
青木 ものすごく面白いんだけど、もっとシンプルにならないかなあと思ったんです。それで「アリさんはいったん忘れて、単純にブロックの面と面が接していたら”繋がっている"というルールにして、一回プレイしてみませんか?」って提案したんです。
角田 そう。それで「そうかなあ?」とは思いつつ、一回プレイしてみた。半信半疑でやってみたら「あれ?ひょっとして面白い?」「うわ!めっちゃ面白くなった!」ってその場で大盛り上がりに。

青木 その場でどんどん遊びながらルールができていきましたよね。
「地上から地上を繋ぐようにしようか」とか「駒がなくなったら置いてある駒を抜いて別の場所に置いていこうか」とか。
角田 思いついたらすぐにプレイしてみて、面白いルールは採用していくというやり方だね。 やっぱり1人で考えてた時よりも、2人で対戦しながら試すことで、精度とスピードが格段に上がった気がする。
青木 この時点であまりにも面白いんで、僕は角田さんに頼み込んでアリさんの試作を貸してもらって。実家に帰ったときに小学生の甥っ子たちと試しにプレイしてみたんです。

青木 そうしたら甥っ子たちがハマりにハマって。姉家族と全員総当たり戦で、2日連続ずーっとCUBOID(キューボイド)大会してました。

角田 このときの写真が僕にもメールで送られて来たんだけど、ホンマにすごいハマってたよね。その日までこの世に存在してなかったゲームなのに、小学生でもハマるっていうのはめっちゃ嬉しかった。
青木 甥っ子たちからは「持って帰らないでよ」と言われるくらいで。本当に嬉しいリアクションでしたよ。
角田 一方そのころ、僕はこんな試作を進めてました。

角田 「こちら側とあちら側」「地上から地上へ」「面と面をつなげて道をつくる」というルールがより分かりやすくなるようにできないかなあと思って、フチに棒を足したり試行錯誤してました。
青木 もう一方では僕も、アリさんの試作は角田さんに返却しなきゃいけないので、事務所に戻るなり自分用に試作をつくりはじめました。
治田 本当にすぐに作ってましたよね。

角田 この時点でコマが白と黒に、盤がグレーになったんだね。
青木 実はこの配色も、こうしたいと思ってたわけではなくて。事務所にたまたま白と黒の絵の具だけがあったから、それで塗っただけなんです。
治田 盤面も格子の印刷じゃなくてドットになってますね。これは?
青木 格子を描くの面倒臭いなあと思って。ドットなら、キリで穴をあけるだけだから作るの楽だなあと思ってこうしました。
角田 たまたまやったんかい!

治田 一段低いところでプレイするんですね。
角田 アリさんは地下にトンネルを掘るから、そのイメージから来てたのかもね。
青木 額縁がある場所でプレイする事を前提に考えてましたね。でも額縁が邪魔でプレイしづらい時があって「ちょっとひっくり返してプレイしてみません?」って試してみた。
治田 ドットをキリで穴あけた試作だったから、ひっくり返してもプレイできたんですね。
青木 そこも、たまたまだったんですよね。それでプレイしてみたら

角田 「えー、こんなん、フチがどこなのかわかりにくくなるやんか。」「あ、盤の一番フチまで使ってみればいいのか」「そっかやってみよか」ってなって。
その結果、、、

青木 「なにこれ!面白さの深みが増してる!」って。
角田 このCUBOID(キューボイド)に関しては、本当に全部の工程が同じだったんだけど、思いついた事を疑わずに、とりあえず試しにプレイしてみるというのが、本当に効果的だった。
青木 「面白いかどうか」っていうのは、考えるよりも体験してみないとわからないってことですよね。
角田 ここから苦労したのがルールブック。 老若男女だれでもできるシンプルなルールが出来ただけに、一発で誰にでも理解できる説明書を用意したかったから、ここは絶対に妥協したくなかった。

治田 説明書をリファインするたびに試遊イベントも開催したりして。改善に改善を重ねましたね。
青木 ここでもそれまでの工程と同じく、考えるよりも試すことを重視してました。
角田 図の描き方1つ、テキストの言い回し1つで理解度が変わるから、ここは本当に時間がかかった。
青木 楽しくイベントをしてただけとも言えるんですけど、今思えば、スピーディーなプロトタイピングとユーザーテストの繰り返しでもありましたね。
角田 ああいうことを素早く気軽に、何度でもできるっていうのが、僕たちみたいな小さな活動の大きなメリットなのかもしれない。

青木 あともう1つ思ったんですけど、CUBOID(キューボイド)って、いわゆるボードゲームの戦略とか攻略の面白さだけじゃない、なんとも言えない気持ち良さがある気がしてて。
角田 あー、わかる。道が繋がったときの気持ち良さって、勝利の気持ち良さだけじゃないよね。仕事とかでアイデアが出る時の「ひらめき」の気持ち良さに近い感じ。
治田 たしかに。あと、プレイ中に考えている時に、直方体のコマをただ手で弄んでる感じとかも、なんだか気持ちよいですよね。
青木 そういう「なんだか気持ちよい感じ」って、今回の「頭ではなく手で考える」「とにかくプレイしてみる」っていうプロセスだからこそ生まれたのかなと思って。
角田 たしかにそうかもしれない。ゲームとしての面白さは追求しつつ、実は言語化しにくい気持ち良さを最優先して作ってたのかもしれない。
青木 その辺も、会議や企画書がない、小さな活動だったからこそ作れるものだったんじゃないかと思います。
角田 なるほどね。

青木 そんなこんなで完成したCUBOID(キューボイド)ですが、発売後の調子はどうでしょう
角田 老若男女、沢山の方々にお買い上げいただけていて、2018年春の段階で、およそ3000名以上のプレイヤーは存在する状態です。が、僕たちは世界に通用するゲームだと思っているので、まだまだですね。
治田 毎年夏には世界大会を開催していくんですよね。
角田 そうそう。夏の世界大会を恒例のイベントにしていって本当に世界中から参加者が集まるものにしていきたい。
青木 それ以外にも、小さなイベントも開催していきましょう!地方大会とか、ちょっとしたプレイヤー交流イベントとか。
角田 小さなイベントもいいよね。ぜひプレイヤーみんなで盛り上げていきたい。
治田 興味のある方は僕たちのFacebookページをチェックしてみてください。
角田 今後は様々な地域でイベント開催予定なので、お楽しみに〜

立体思考で活路を開く
最もミニマルなボードゲーム



CUBOID
price : ¥4,500-(税抜き)
size : W150 × D150 × H18
material : Wood
Made in Japan
CUBOIDが気になったら、ここから購入できます。
ラインナップを見る →Vol. 05 — 番外編
5. 発売後のはなし

6. CUBOIDの聖地発見
(この記事は、2017年7月に書かれたものです)
みなさん、ご無沙汰しております。TENT青木です。
2017年7月のある日、東京都世田谷区にすごい場所を発見してしまいました。


真夏日にも関わらず、涼しい風が吹き抜けるこの場所の名前は
駒繋神社(こまつなぎ じんじゃ)と言います。

駒を、繋ぐ、神社。
コマを、つなぐ。
つまり、
コマをつないで、道をつくる
CUBOIDにぴったりの神社じゃないですか!
そんなわけで、twelvetoneの角田と、TENT青木の2人で
駒繋神社までお散歩に言ってきました。
今回は、そんな記事をお送りします。

角田 さて、そんなわけで、駒繋神社に到着しましたね。 なんでここに来たのかと言うと

青木 CUBOIDには「こちら側からあちら側にコマをつなぐ」という基本的なルールがあるんですが、ここは駒を繋ぐ神社ですからね。もう参拝するしかないでしょう。

青木 それでね、なぜこのタイミングで神社にやってきたのかと言いますと。
角田 そうそう、このタイミングっていうのはつまり、あれですね。
CUBOIDの第1回世界大会の開催が決定したんですよね。

青木 そうなんです。8月5日(土)朝10時から。
東京の中目黒駅にある中目黒蔦屋書店にて、
第1回CUBOID世界大会の開催が決定しました!
角田 パチパチパチ。ついに。
僕たちが作ったゲームの、初めての世界大会が開催されちゃうわけですね。すごいことですよこれは。まだ出来たばかりのゲームなので、まだ競技人口が少ないからね。
青木 初代世界チャンピオンになれる確率が非常に高いと言えますよね。

角田 「世界大会」言うても、まだ世界中にそんなにプレイヤーおらへんからね。
青木 この先、競技人口が世界的に増えていくでしょうから。なんなら、開催地が日本っていうのも、この第1回が最後になるかもしれないですよね。
角田 じゃあちょっと、ざっくりと大会の概要説明しときましょっか。

<第1回CUBOID世界大会 概要>
期日:2017年8月5日(土)
時間:10時〜19時
場所:中目黒蔦屋書店
参加費:入場無料
トーナメントへの参加:500円/1人
※2017年の大会は終了しました!

角田 チケット代とるんだ!
青木 そうなんですよねー。場所もお借りしますし、無料ってわけにはいかないんです。
イベントへの参加は無料で、トーナメント参加のみ、有料という形になります。
角田 そうそう、イベント参加無料なんだよね。
どういうことかと言うと、当日はこのトーナメントだけじゃなくて、僕たちidontknow.tokyoが主催するイベントが同時開催されるんだよね。
青木 はい、このCUBOID世界大会は、idontknow.tokyo主催の
「考える」を楽しむイベント
の中に含まれる形で開催されるんです。

角田 トーナメントに参加しない人も楽しめる1日になりそうだよね。
とはいえ、トーナメント参加者は、特別な何かがもらえたりしなかったっけ?
青木 もちろんもらえます!
特典その1:中目黒の名店シャポードパイユのサンドイッチ
Idontknow.tokyoメンバーがこよなく愛するサンドイッチの名店「シャポードパイユ」さんのサンドイッチを1つ。 勝負飯として提供いたします!

特典その2:第1回世界大会 参加記念品
ここでしか手に入らない参加記念品を用意しています。詳細はまだ内緒です。
特典その3:優勝者には、idontknow.tokyoの第三弾製品!
トーナメント優勝者には、なんと!!
第一弾HINGE、第二弾CUBOIDに続く、
idontknow.tokyoの第三弾製品をお贈りします!

角田 第三弾製品!まだどんなものを作っているかも公開していないのに。
青木 ええ、世界中のだれもまだ知らないすごい製品を仕込んでいます。これを、優勝者にあげちゃいます。
参加賞についても、これから増えるプレイヤーに「第1回大会に出場したんだぞ!」と自慢できるようなものを用意したいと思います。
角田 そうね、フジロックの初期の頃のTシャツ持ってるわーみたいな気持ちになってもらえると嬉しいよね。

角田 とまあ、そんなわけで。
第1回CUBOID世界大会の成功を祈願して。
青木 そうですね。日頃の感謝と、大会の無事を祈願して。

パンパンッ!

「考えるを楽しむイベント」と 「第1回 CUBOID 世界大会」の記事に続く。


立体思考で活路を開く
最もミニマルなボードゲーム



CUBOID
price : ¥4,500-(税抜き)
size : W150 × D150 × H18
material : Wood
Made in Japan





